ADHDとは、多動性、衝動性、不注意を特徴とする、発達障害の一種です。

 

ADHDは「注意欠如・多動性障害」とも呼ばれ、
学童期の3~5%に見られるといわれています。

 
子どものころに症状が強く現れ、発見されやすいため、
子どもの障害と思われがちですが、実はADHDの大人もたくさんいます。


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ADHDの3つの特徴は、個人個人で現れ方が異なり、
3つのタイプに分けられます。

 

【ADHDの3タイプ】


 

★多動性・衝動性優勢型
★不注意優勢型
★混合型
 

不注意優勢型は「ADD」と呼ばれることもあります。

 

幼いころは多動性・衝動性優位型であっても、成長とともに
多動や衝動の症状がおさまり、不注意優勢型になる場合もあります。

ADHDの原因は、生まれ持った脳の体質、環境、遺伝的要因が
複雑に絡まっていると考えられています。

 

生まれつきの脳機能の障害であり、その特性は一生消えることはありません。

 

しかし、適切な環境を設定したり、周囲の人が適切なかかわりをすることで、
その症状をマイルドにしたり、特性を長所にすることができます。

大人のADHDには、どのように対応すればよいでしょうか。

大人のADHDでよく見られる症状とともに、ご紹介します。

 

【大人のADHDの症状と対応】


 

★指示が聞き取れない、指示を忘れてしまう

 

ADHDの人は、短期記憶が弱い傾向があり、
言われたことを記憶しておくことが苦手です。

ですから、聞いた端から指示を忘れてしまったり、
内容を理解する前に言われたことを忘れてしまうことがあります。

 

対応のコツは、指示は短く、簡潔に出すことです。

 

また、本人にメモを取らせるか、あらかじめ指示をメモ書きしたものを
手渡したり、メールなど視覚的情報として指示を出すのがよいでしょう。

 

★計算や書類作成でミスを連発する


 
細かいことに注意を払うことが苦手なため、計算ミスをしたり、
書類の作成でケアレスミスをすることも多いです。

 

その場合は、2重3重のチェック体制を用意するなど、
補助する体制を確保しましょう。


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あまりにもミスが多いときは、本人が自信をなくす前に
適切な部署に配置換えすることも必要かもしれません。


 

★ちっとも仕事や作業に集中していない

 

周りのちょっとした刺激に気を取られやすく、
すぐに気が散ってしまいます。

作業スペースには必要のないものを置かないようにし、
周囲の刺激を遮るようについたてを作るとよいでしょう。

 

段ボールでできた、机の上だけを区切ることができる
簡易のついたてもあります。

そういったものを利用し、集中しやすい環境を整えましょう。

 

★時間の配分が下手、時間を忘れる


 
ADHDの人は気が散りやすい反面、特定のものごとには
集中しすぎる特性があります(過集中)。

 

時間の配分が下手だったり、大事な用事の時間を忘れてしまうようなときは、
タイマーを利用しましょう。

スマートフォンのアプリを使い、時間の管理をすることも有効です。

 

また、周囲の人たちも予定を共有し、声掛けができる環境を整えましょう。

 

★イライラしやすい


 
頭の中にいろいろな考えがあふれてごちゃごちゃになっていたり、
刺激が多すぎたり、衝動が抑えられずにイライラしてしまうことがあります。

 

そのような時は、ひとりでクールダウンできる場所が必要です。

あらかじめ、静かで落ち着ける場所、歩き回ってもよい場所を確保し、
そこでクールダウンさせるようにしましょう。


 

★不適切な行動があるとき


 
衝動や不注意で、不適切な行動をとってしまったときは、
「○○してはダメ!」と言うのではなく、「○○するといいんじゃないかな」
と取るべき行動を伝えてください。

 

否定的な言葉をかけられ続けると、当事者は自信を失い、
できることもできなくなってしまいます。

また、二次障害のうつ病などを発症してしまうことがあります。

 

★できないことに取り組ませるとき、先延ばし癖があるとき
苦手なことに取り組む必要があることも、多々あります。


 

その時は、問題を一気に解決しようとせず、段階を細かく分け、
スモールステップでスキルを身に着けられるようにするとうまくいくことがあります。

 
また、先延ばし癖がある場合、作業内容を小分けにして、
一つ終わったら報告させるなどすると、優先順位が
わかりやすくなり、スムーズに作業が進められます。

以上は、対応方法のごく一部です。

 

ほかにも、状況により、様々な対応方法が存在します。

 
ADHDだから何もできないわけではなく、
環境次第で特性は能力に変わります。

 

特性を生かし、社会で活躍できるようにするには、
本人の努力だけではどうにもならないことも多く、
周囲の協力が必要不可欠です。

 
ADHDの人への対応は、健常者にとってもわかりやすいものです。
「もしかしてあの人はADHDなのかな?」と思ったら、
上記のような工夫をしてみることをお願いします。