ADHDとは、「注意欠如・多動性障害」という、発達障害の一種です。

多くは学童期に発見されるため、子どもの障害と思われがちですが、
ADHDは生まれつきの脳機能障害であり、その特性は一生続くため、
大人でもADHDの人はいます。

 

ADHDは、生まれつきの脳の体質、環境、遺伝など、
様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。


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ADHDの特性は、「多動性」「衝動性」「不注意」の3つです。

この特性の組み合わせには3つのパターンがあります。

 

【ADHDの3つのタイプ】


 


★多動性・衝動性優勢型
★不注意優勢型
★混合型

 

不注意優勢型は「ADD」とも呼ばれます。

 

幼いころは多動性や衝動性が強く現れることが多く、
成長するにつれその特性がおさまり、不注意優勢型に変わることもあります。

 

また、女性には不注意優勢型が多いともいわれており、
発見されにくい傾向にあります。

 

ちなみに、筆者は女性で不注意優勢型ですが、
診断が出るまでにずいぶん時間がかかってしまいました。

ADHDの治療では、環境調整や周囲の人のかかわり方を
調整することがメインになります。

 

それでも状況が変化しない場合や、症状がきつい場合には、
薬による治療も行われます。

 

ADHDの治療の目標は、症状を完全に消すことではありません。

ADHDは生まれ持った特性ですから、完治させることはできません。

 

ですから、職場や家庭など、社会生活・日常生活における不適応の
悪循環を断ち切り、自信を持って生活できるようにすること、
自分の特性と向き合い、折り合いをつけることが目標となります。

ADHDの治療は、まず専門家の診察によって、「ADHDである」ことを
診断してもらうところから始まります。

 

ADHDの診断が出たら、治療開始です。

 

まずは生活環境などを見直し、場合によっては薬の力を借りて、
行動をコントロールできるようにしていきます。

 

何度も受診し、環境調整の効果や薬の効果などを検討しながら、
徐々に改善する方向へと持っていきます。状態がよければ、
服薬を中止することもあります。


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服薬中止後も、定期的に様子を見て、
また必要であれば服薬を再開することもあります。

 

【具体的な治療方法】


 

★生活環境の見直し


 

・指示は短く、簡潔に出してもらうようにする(短期的記憶力が弱い傾向にあるため)
・指示をメモやメールなど、視覚化してもらう
・言いたいことはすぐに言わず、少し考えてから(10秒待つなどルールを作る)

 

・計算や書類の作成など、ミスが多発しているときは、補助してもらえるよう周囲に頼む
・大失敗は、「絶対にしてはいけないこと」としてルールにする。

・してはいけないこと、しなければならないことなどは、
一覧表にするなどして視覚的にチェックできるようにする
・困ったときは、必ず信頼できる人に相談する

など

 

★環境調整


 

・自分の居場所や作業スペースの周囲は、必要のないものを置かない。
気が散るようなものを取り除くことで、集中しやすくする

 

・周囲の人や物が気になるときは、作業スペースを囲ったり、
区切ったりすることで刺激を減らす

 

・イライラしたときに、ひとりきりでクールダウンできる場所を確保しておく
・道具、メモ、タイマー、スマホのタスクマネージャーなどを活用する

 

・予定を忘れてしまうなら、スマホなどでアラームをかけておく。
周囲の人と情報を共有し、声掛けをしてもらう

・出かけるときに必要なものをひとまとめにしておき、忘れ物がないようにする

・出かけるときに必ず目にする場所に、
外出時に必要な物一覧表を貼り、必ずチェックするようにする

 

など

 


★人間関係の調整


 

・特性を説明し、面倒でも何度も声かけや注意をしてもらえるよう、周囲にお願いする
・締め切りに間に合わない場合、声掛けしてもらえるようお願いする
・自分の能力を適切に把握し、できないことはほかの人の力を借りる

など

 

★薬による治療


 

メチルフェニデート(コンサータ)やアトモキセチン(ストラテラ)などの、
脳内神経伝達物質に作用する薬を服用することで、
ノルアドレナリンやドーパミンの不足を改善し、
ADHDの特性をコントロールしやすくします。
 

コンサータは、処方できる医師と処方できない医師がいます。

以上は治療法の一例です。

 

同じADHDであっても、困る部分は人それぞれ違っています。

 

しかし、治療において共通しているのは「障害特性によってできないことは、
助けを求める」「環境を調整することでコントロールできる部分は、
しっかりと環境調整をする」ということです。

 

周囲の人に理解を求め、自分でも工夫をしながら、
よい能力を最大限に発揮できるようにしていきましょう。