最近、発達障害についての情報が多く出回るようになり、わが子の様子を
しっかり観察し、何か引っ掛かりを感じれば相談するという親御さんが増え、
比較的幼いうちから障害が発覚することも多くなってきました。
 

発達障害のうち、幼児期に発覚することが多くなってきたのが、
自閉症スペクトラム障害とADHDです。ここでは、ADHDについて触れます。


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ADHDとは、生まれつきの脳の機能障害です。

 

その特性は「多動性」「衝動性」「不注意」の3つで、
これらの組み合わせには大きく3つのパターンがあります。

 

 

【ADHDの3つのパターン】


 

★多動性・衝動性優勢型
★不注意優勢型
★混合型
 

不注意優勢型は、「ADD」と呼ばれることもあります。

ADHDは、環境や生まれつきの脳の体質、遺伝など、様々な要因が
複雑に絡って発症する、神経生物学的な障害であると考えられています。

 

画像診断の進歩により、ADHDの子どもは、健常児よりも前頭前部、
尾状核、淡蒼球、小脳虫部といった脳の部位が小さいことがわかってきました。

 
そのため、衝動をコントロールする力が弱かったり、
注意力を保ち続けることが困難になるといわれています。

 

発症率は、学童期では3~5%、男児に多く、
男女比は3~5:1とも、10:1ともいわれています。
男児では多動性・衝動性優勢型が多く、
女児には不注意優勢型が多いという報告もあります。

 

また、幼いうちは多動性・衝動性優位型であっても、成長とともに
多動性・衝動性はおさまり、不注意が目立ってくる場合もあります。

では、どのような場合、ADHDの可能性があるのでしょうか。

 

【ADHDチェックリスト】


 

★不注意に関するチェック


 

・注意を払い続けることが、しばしば困難である
・面と向かって話していても、人の話を聞いていないように見える。
 すぐに気がそれてしまい、集中して話を聞くことができない

 
・勉強や作業などで、しょっちゅう不注意なミスをする
・たびたび指示に従えなかったり、勉強や作業を最後までやり遂げられない
(反抗しているわけでも、指示が理解できないわけでもない)


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・努力が必要な課題を避けたがる、集中力が必要な課題を嫌がる
・ものごとを計画的に、順序立てて行うことが難しい。あれこれたくさんのことに手を出してしまう
・必要なプリントや大事なおもちゃでも、すぐになくしてしまう

 
・忘れ物が多い
・外からの刺激に過敏に反応し、すぐに注意がそれてしまう
・毎日していることなのに、忘れてしまう
・約束をすぐに忘れる

 

 

★多動性・衝動性に関するチェック


 

・座っているときに、手足をそわそわ動かしたり、もじもじしたり、
 貧乏ゆすりをするなど、じっとしていられない。ガサガサして落ち着かない
・いつもそわそわしている
・動いてはいけない場面でも、走り回ったり高いところにのぼったりしてしまう

 

・座っていなければならないときに、何度も席を立ってしまう
・エンジンで動かされているかのように、動き回って止まらない
・静かに課題にとりくんだり、遊んだりすることができない

 

・しゃべりすぎる。時と場所を考えずにしゃべり続けてしまう。ちっとも黙っていない
・順番が待てず、わりこんでしまったりする。順番を待つことに耐えられない
・質問が終わる前に、だしぬけに答えてしまうことが多い

 

・人の邪魔をしたり、妨害をしてしまう
・すぐにいらいらして、物や人に当たり散らしたりする。
 かんしゃくを起こしやすく、友達をたたいてしまったりする。
・友達にちょっかいを出すことがやめられない
・集団行動が苦手

以上のような状態があり、次の状態に当てはまるとADHDの可能性が高くなります。

 

・小さいころから症状がある
・6か月以上続いている
・年齢不相応な不注意、多動、衝動である

 

・特定の場面だけでなく、2つ以上の場面で症状がみられる
・社会生活や日常生活の障害になっている
・他の障害や精神疾患によるものではない

 

以上の状態に当てはまっても、必ずしもADHDと診断されるわけではありません。

2~3歳の子ども、特に男の子はほとんどがこの状態に当てはまります。

 

しかし、それは脳がまだ発達途上だからであり、ある程度の年齢になれば治まってきます。
しかし、幼稚園などで集団生活を行うようになったり、小学校に上がっても
まだ不注意や多動、衝動があるようであれば、一度専門家に相談しましょう。

ADHDは生まれつきの脳機能障害で、一生その特性が治ることはありません。

 

しかし、適切な環境設定や、周囲の適切なかかわり、服薬、本人の成長などにより、
その特性をマイルドにすることは可能です。
 

子どもが「自分はダメな子だ」という負の意識を持ってしまうのを防ぐため、
専門家に相談し、アドバイスを受けましょう。