ADHDとは、生まれつきの脳の機能障害で、発達障害の一種です。

 

特徴は「多動性」「衝動性」「不注意」の3つであるといわれています。
 

ADHDの原因は、まだ詳しくはわかっていません。

 

生まれつきの脳の体質や、脳の発達のアンバランス、環境、遺伝など、
様々な要因が複雑に絡み合って発症するといわれています。


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画像診断の技術が向上し、ADHDの人では、脳の前頭前部、尾状核、
淡蒼球、小脳虫部と呼ばれる場所が、健常者よりも小さいことがわかってきました。

 

また、ノルアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質が働きにくく、
脳の覚醒レベルが低いのではないかとも考えられています。

 

【記憶に関する困難さ】

 

・言われたことを忘れてしまう、言ったことを忘れてしまう
・忘れていることさえ忘れてしまう

 

・買い物に車で行って電車で帰ってきてしまうといった例もある
・言われたことをメモしようと思って、そのまま忘れてしまう
・3歩歩いたらもう忘れているとか、トリ頭などといわれる
・2つ以上のことを一度に言われても、覚えていられない

 

など

これらの症状は、ごく短期間だけ記憶しておくという能力が弱いために、
引き起こされると考えられています。


ごく短期間だけ情報を記憶しておく能力は、「ワーキングメモリ」と呼ばれます。

 

「作業記憶」「作動記憶」と呼ばれることもあります。

 

 

【短期記憶とは】

 

秒単位の時間しか保たれない記憶のことで、情報を短時間だけためておく脳のシステムです。

 

何度も繰り返して復唱しない限り、自動的にその記憶は消えていくといわれています。


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一般には、数や文字などであれば、一度に覚えられるのは7つ程度だといわれています。
短期記憶は、思考や認識などの情報を、作業時などに一時的に保存し、
その情報を選択・操作するための構造であり、その働きには、
脳の前頭前野、頭頂葉、側頭葉、後頭葉、大脳基底核、
辺縁系などの部分がかかわっています。
 

 

短期記憶は、文章を理解したり、暗算を行ったり、判断をしたり、
日常的な推論などの認知行動にかかわる、大事な機能です。

 

例えば、会話をするときには、相手の言ったことを解読するため、
一旦頭の中に情報を保存します。

 

暗算では、計算をいったん頭の中にとどめておく必要があります。

 

特に、二ケタ以上の数字の計算では、その必要性を感じることと思います。

ADHDの人は、こうした短時間だけ覚えておく記憶の仕組みに
何らかの問題があり、その記憶を引き出して来たり、
操作したりすることに困難を生じるといわれています。
 

筆者もADHDと診断されていますが、知能テストを受けた時に、
たくさんの数字や文字を覚えることができず、ワーキングメモリの弱さを指摘されました。

 

 

この能力は、脳が作業中に使う脳内の机にたとえられます。

 

机が大きければ、たくさんのものが乗りますが、机が小さければ、
物は少ししか乗らず、乗り切らなかったものは下に落ちてしまいます。
 

ADHDの人では、その脳内の机が小さく、一度にたくさんのものを乗せられません。

 

ほとんどのものが、下に落ちて転がり、どこかへ行ってしまいます。

 

ですから、忘れっぽかったり、うっかりしていたりという症状が出ると考えられています。

 

忘れっぽかったり、うっかりしているのは、決して怠けているわけでも、
わざとやっているわけでもないのです。

 

脳の機能が健常者とは違うために起こってしまうことなのです。

 

ですから、叱るのではなく、どうすれば忘れずに済むか、失敗せずに済むか、
本人と一緒に考え、うまくいく方法を見つけましょう。